雪猫シェルターがある場所は冬は降雪量が多く、一日で数m雪が積もることもあります。
気温も毎日氷点下になり、野良猫にはとても厳しい冬です。
エサになるものもなく、日々飢えと寒さに苦しんでいます。
シェルター付近は民家がなく、県や市の除雪車が来ないため、ボランティアが自分たちで毎日除雪しています。
除雪機も個人所有のものなので運んでくるのも大変です。大雪が続くと道路の両脇が2mを超える壁のようになっていきます。
朝除雪しても、夕方にはまた積もってしまうのでスコップで除雪しながら歩いて向かいます。
積もった雪の中を歩くのはなかなか前に進まず本当に大変です。
それでも毎日必ずお世話に行き、猫達一匹一匹と向き合っています。
シェルターが雪の重みで潰れないように、周りの除雪や屋根の雪下ろしも行います。圧縮された雪は重く、雪下ろしはとても重労働です。
それでも大切な猫達を守るためたくさんの時間を費やして除雪を行います。
道を除雪することによって、猫達がその道を通って助けを求めてやってきます。
周りが降り積もった雪なので除雪した道路が唯一の通り道になります。
冬場は食べ物がないため、栄養失調の子が多いです…。
はじめは近寄れませんが、遠くにご飯を置いて徐々に慣れていきます。
人に慣れてくれた後に動物病院に連れていきますが、ひどい栄養失調や病気が治る見込みがない場合は治療しても数か月しか生きられない子もいます。
保護してどんなに日が浅くても、お別れは本当に辛いものです。
最後まで何かしてやれなかったのかと後悔ばかりです。
たった数ヶ月でも暖かいお家で他の猫仲間と過ごし、美味しいご飯を食べて幸せな最期だと感じてくれたらと願っています。
寒い冬を乗り越えるため、ストーブや電気毛布などで体を温め、元気になるようにお世話しています。
凍死に近い状態で発見された猫がいましたが、なんとか暖めて息を吹き返したこともありました。
命が助かり、寒さや飢えに苦しむことがなく、楽しく幸せに暮らせることはお世話をするボランティアの願いです。
雪の中で出会う猫は、食べ物よりも人の愛情を求めてくる子もいます。
お世話係の私達はたくさんの愛情を与え、こちらも猫達から元気をもらいます。
雪の多いこの地で生まれ育った猫達をこの場所で最期までお世話することを約束し、大切に育てています。
栄養をつけて元気になった猫達は、冬場は暖かい室内で、夏場は室内と敷地内の木陰や原っぱでのんびり過ごしています。
子猫たちは元気に走り回り、たくさんのご飯を食べてのびのびと生活しています。
猫同士も基本的には仲良しですが、たまに喧嘩をすることもあります。
それが猫本来の生活だと思い、怪我をしないように仲裁をしながら見守ります。
病気持ちの子も多いため、調子が悪いときは動物病院に通い、24時間看病をすることもあります。
最期のその時まで大切に大切に育てます。
家猫でなくても、ちゃんと愛されたと実感してほしいと思っています。
障害がある子が過ごしやすいようにバリアフリー化も徐々に進めています。
ハンデがあっても自由に過ごしてほしいと思っています。
妊娠している猫を保護した場合は、出産後に避妊手術を受けてもらい、親子共々大切に育てています。
生まれた子猫達が幸せに暮らせるように、日々見守っています。